四国は徳島県。県庁所在地の徳島市から30分の距離にある徳島県唯一の村、佐那河内村。村のなかで山神と呼ばれる地区の段々畑の中腹に、山神果樹薬草園はあります。農産物の加工場もある農園として2019年から徐々に活動を始めました。
農園では和柑橘(柚子・すだち等)を栽培し、工場ではそれら和柑橘の果皮(外側の厚い皮)から精油を抽出します。抽出には、日本では稀有なペラトリーチェ方式に挑戦します。金属製の爪で外皮だけを強く掻き取りながら、表面のボコボコとした油胞をつぶして精油を取り出す、という方式です。
その後、外皮を取り除いた状態で果実を搾って果汁を抽出するため、果汁と精油は接触することがありません。精油と果汁、それぞれをフレッシュな状態で得ることができます。搾った後の繊維質(パルプ)はヨーグルトなどに添えるピューレにしたり、ジャムやドレッシングにしたりするなど、最後まで食べ切ります。
山神果樹薬草園は、モノをつくる場にとどまりません。人の輪と和を広げることができる場としても育てていきたいと思っています。だから、工場は四角くて無機質の箱ではなく、母屋があって、離れがあり、納屋がある、という、農家を連想させるような設計にしました。村の人も村の外から来た人も、気軽に立ち寄ってお茶を飲める場所、縁側のようなテラスもつくります。
山神果樹薬草園が目指しているのは再生と循環です。再生とは、使われなくなったモノが新たな価値をもって生まれ変わること、循環とは、一巡して円を描き、また元に戻るということです。
徳島県は柚子やすだちの名産地です。柚子は全国第2位、すだちは日本一の生産量を誇ります。しかしながら、すべての果実を収穫できるわけではなく、一部は放置せざるを得ないというのが実情です。そこで、山神果樹薬草園では、価値を生み出すことができずにいる未収穫の果実を、精油を抽出するための原料にし、価値のあるモノとして生まれ変わらせます。農家から適正な価格で果実を買い取って、加工し、販売し、収益を上げてまた果実を買い取る、という循環をつくり上げます。
このような私たちの取り組みにより、村の外から人を呼び込むことができるのではないか。新たな人が村に住み暮らし、ともに働く。そうすることで村がさらに活気づき、村外の人がまた村にやって来るのではないか。そのような人の循環も、私たちは担いたいと思います。
特別なことをするのではなく、「再生と循環の実践」を通して、今日求められている持続可能な社会をつくっていく。山神果樹薬草園は、5年10年という時間をかけてその実現に努めます。
四国は徳島県。県庁所在地の徳島市から30分の距離にある徳島県唯一の村、佐那河内村。村のなかで山神と呼ばれる地区の段々畑の中腹に、山神果樹薬草園はあります。農産物の加工場もある農園として2019年から徐々に活動を始めました。
農園では和柑橘(柚子・すだち等)を栽培し、工場ではそれら和柑橘の果皮(外側の厚い皮)から精油を抽出します。抽出には、日本では稀有なペラトリーチェ方式に挑戦します。金属製の爪で外皮だけを強く掻き取りながら、表面のボコボコとした油胞をつぶして精油を取り出す、という方式です。
その後、外皮を取り除いた状態で果実を搾って果汁を抽出するため、果汁と精油は接触することがありません。精油と果汁、それぞれをフレッシュな状態で得ることができます。搾った後の繊維質(パルプ)はヨーグルトなどに添えるピューレにしたり、ジャムやドレッシングにしたりするなど、最後まで食べ切ります。
山神果樹薬草園は、モノをつくる場にとどまりません。人の輪と和を広げることができる場としても育てていきたいと思っています。だから、工場は四角くて無機質の箱ではなく、母屋があって、離れがあり、納屋がある、という、農家を連想させるような設計にしました。村の人も村の外から来た人も、気軽に立ち寄ってお茶を飲める場所、縁側のようなテラスもつくります。
山神果樹薬草園が目指しているのは再生と循環です。再生とは、使われなくなったモノが新たな価値をもって生まれ変わること、循環とは、一巡して円を描き、また元に戻るということです。
徳島県は柚子やすだちの名産地です。柚子は全国第2位、すだちは日本一の生産量を誇ります。しかしながら、すべての果実を収穫できるわけではなく、一部は放置せざるを得ないというのが実情です。そこで、山神果樹薬草園では、価値を生み出すことができずにいる未収穫の果実を、精油を抽出するための原料にし、価値のあるモノとして生まれ変わらせます。農家から適正な価格で果実を買い取って、加工し、販売し、収益を上げてまた果実を買い取る、という循環をつくり上げます。
このような私たちの取り組みにより、村の外から人を呼び込むことができるのではないか。新たな人が村に住み暮らし、ともに働く。そうすることで村がさらに活気づき、村外の人がまた村にやって来るのではないか。そのような人の循環も、私たちは担いたいと思います。
特別なことをするのではなく、「再生と循環の実践」を通して、今日求められている持続可能な社会をつくっていく。山神果樹薬草園は、5年10年という時間をかけてその実現に努めます。
見学・体験
糖度13.9
木成り晩熟みかんの可能性
山神果樹薬草園の農園には、40本あまりのみかんの木があります。「十万温州(じゅうまんうんしゅう)」という晩熟系のみかんです。「貯蔵みかんの王様」(収穫後、一定期間保管してから出荷されるみかん)と呼ばれ、さわやかな酸味が際立つ早生みかんとは、一味も二...
山神果樹薬草園の農園には、40本あまりのみかんの木があります。「十万温州(じゅうまんうん...
どんなときも
初心を忘れずに
2018年に松山油脂墨田本社(東京都)から転勤し、2020年の春まで徳島事業所を1人で切り盛りしてきたのが下田毬絵です。仕事は農園の管理、地元の方との連携、現地での調整業務、柑橘の研究など多岐にわたります。いよいよ今月となった山神果樹薬草園の工場本稼働に向...
2018年に松山油脂墨田本社(東京都)から転勤し、2020年の春まで徳島事業所を1人で切り盛りし...
現場は安全第一で
工事が順調に進んでいます
この猛暑のなか、毎日汗を流してくださっている職人さんたちのおかげで、山神果樹薬草園の建屋の工事が順調に進んでいます。今回、建設工事全体の指揮をとってくださっているのがアズマ建設の塩見光正さん。職人さんたちへの心遣いを忘れず、現場を取りまとめてくれ...
この猛暑のなか、毎日汗を流してくださっている職人さんたちのおかげで、山神果樹薬草園の建...
農園の草花の話
薬草と緑肥
農園には、いわゆる「雑草」と呼ばれる草が至るたくさん生えています。いつもは刈ることに夢中になっていますが、作業の手を止めてよく見ると、アマチャヅルやドクダミといった古くからの薬草や、土を肥やすクローバーが至るところに自生していることがわかります。
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