STORY歩み、仲間

2025.12.08 地産地消エネルギーの仲間
中江農園・中江哲也さん

2025年7月1日、山神果樹薬草園では、すべての電力を100%再生可能エネルギーに切り替え、年間約115tのCO₂を削減できるようになりました。再生可能エネルギー電力の一部は地産地消。四国で営農型太陽光(ソーラーシェアリング)発電事業を営む株式会社Nakaeさん(中江農園さん)から、「みんな電力」※を経て山神果樹薬草園に供給されています。今回は中江農園さんと、事業の中心を担う中江哲也さんをご紹介します。

山神果樹薬草園がある徳島県佐那河内村。村の隣にある小松島市は、阿波三峰のひとつ・日峰山を背にひろがる平野で、豊かな水・土壌と温暖な気候に恵まれた、古くより農業が盛んな土地柄です。100年以上継承されてきたその農地を守り継ぐべく、長年の経験値と技を活かした米・野菜づくりに注力されているのが中江農園さんです。

中江農園さんは、徳島市を拠点とする再生エネルギー等のプロデュース企業、株式会社Nakaeさんと連携する農業法人。人とのご縁を大切にしたネイチャー・ポジティブ*な未来づくりを進めています。代表の中江功さんは農業歴50年。哲也さんは父である功さんに続き、「子や孫にも、安全安心に食べさせることのできる品質」「食べてしっかりと実感できる、おいしさ」の追求をモットーとして、日々手間を惜しまない、丁寧かつ真摯な農業、モノづくりに努めていらっしゃいます。
*自然再興。自然を回復軌道に乗せるため、生物多様性の損失を止め、反転させること。

果樹農業を生業としている山神果樹薬草園でも、ソーラーシェアリングに深い関心を寄せてきました。中江農園さんは、山神果樹薬草園の事業本格化に先んずること7年、2015年からソーラーシェアリングを開始されました。2023年には3万9,785m²(約12,000坪)の圃場で、水稲・椎茸・ブルーベリー・さつまいもなど多彩な作物の栽培と、年間約2,200 MWの発電を実現しています。

ソーラーシェアリングでタッグを組むにあたり、山神果樹薬草園のスタッフも中江農園さんを訪れました。そのとき明るく迎えてくださったのが哲也さん。ご自身の挑戦を説明してくださいました。

「中江農園が実践している仕組みは、農作物の販売収入に加え、売電による継続的な収入、電力の自家利用などによる経営改善、栽培環境の整備による農作業の効率化が期待できます。代々受け継いできた農地を、次代へとつなぐためのバトンになればと考えています」

山神果樹薬草園のスタッフも、太陽光パネルは見たことがありましたが、ソーラーシェアリングを実際に見るのは初めての経験でした。太陽光発電設備の下で元気に育つ水稲と、「すごいことが行われている」様子を目の当たりにして、哲也さんの言行一致したポジティブな姿勢に感動し、お手本にしたいと思いました。

哲也さんは、より環境負荷の少ない有機農法の導入、栽培品目の拡大、後進の育成にも注力したいと考えられています。2025年8月に有機JAS認証を取得した山神果樹薬草園とも、共働共創の仲間になっていただけそうです。

哲也さんから、山神果樹薬草園に向けて、こんな言葉をいただきました。

「環境に対して真摯な姿勢で具体的に取り組まれている企業が、地元徳島に根づいていただくことは、とてもありがたく、心強いです。山神果樹薬草園さんとの共働により、弊社が追求する三つの価値、すなわち環境的価値・社会的価値・経済的価値をさらに拡大し、進化させていきたいと考えております」

この期待と信頼に応えられるよう、山神果樹薬草園も努力を続けていきます。哲也さん、今後ともどうぞよろしくお願いします。

※「みんな電力」について詳しくはこちら(みんな電力のウェブサイトが開きます)